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新井まさる・かつとし父子
Words to Live by
By Judit Kawaguchi
Translator: Toshio Ozawa
Approved by Masaru and Katsutoshi Arai


新井まさるさん(58歳)と息子のかつとしさん(28歳)は、東京の浅草生まれで、代々続く大工の棟梁です。かつとしさんは末子で上に3人のお姉さんがいます。この父子は一緒に働くのが大好きで、いつも完璧なものをつくろうと頑張っています。二人の稼ぎは、毎年大きく上下するのですが、二人が懐に入れる金額も、生き方もほとんど変わりません。

新井工務店ホームページへ

まさる: もう典型的なB型人間です。涙もろくて、頑固なのです。私は、自分と同じ性格の人が好きです。

かつとし:私たち親子は、そっくりなんです。違うところといったら、年齢くらいですね。あっ、それに髪の毛は私の方がたくさんありますが、その程度です。毎週6日間一緒に仕事をしていますから、人柄も似てきたのですよ。

まさる: せがれが私の跡を継いでくれたのでとても満足しています。お客様の中に90歳になる方がおられ、親父が建てた酒場で商売をやっているのですが、せがれも大工になったというのを聞いて、涙を流して喜んでくれました。

まさる: 日本の大工仕事は世界的なレベルです。 ですから、一流の大工になるには、長い年月をかけて技を磨く必要があり、一人前になるのに20年ほどもかかるのです。

まさる: 私は、泣き虫なのです。泣くのにも度胸がいるということであれば、私は度胸のある男ということになります。 10年前に、私は脳溢血で倒れ、生まれて始めて入院したのですが、担架に寝かされて、まるで赤ん坊のように泣き続けました。別に痛いとか苦しいとかいうのではなく、ただもう惨めな気になったのです。家内は、その間ずっと取り乱すことなく、しっかりとしていました。

まさる: どうやって家をつくるかはわたしのお手の物ですが、それをまとめて切り盛りするのは家内です。商売のこと、家族のことそれに家の中のことのすべてが順調に回っているのは家内が頑張っているからなのです。空っぽの家に帰ってくるのは、とても寂しいことです。私たちが、一緒になったのは35年も前のことなのですが、いまでも、玄関の戸を開けて入ったときには、家内の顔を見たいと思いますよ。

まさる: 家計の状況を家内に尋ねたことは一度もありません。家内がいくらお金を使っているのかとか、貯金がいくらあるのかは、皆目見当がつきません。家内は、毎月なにがしかのお金を私に渡し、残りは自分のものにします。私は貰ったお金を旅行やカメラやパソコンの部品に全部使っています。

まさる: 親父が大酒呑みだったものですから、私は酒を一滴も飲まないのです。私は、親父に向かって、親父のようになるのは御免こうむると言ったところ、笑いながら、同じ癖をつけないのが一番だと賛成してくれました。

かつとし:道具が一番大切な持ち物です。大工になったときに、道具一式を買いそろえました。これを私は、一生使い続けていくつもりです。

まさる: 私の道具は、40年来使っているものですが、中には親父の持ち物だったものがあるので、もっと古いものもあります。私の道具には、誰にも触らせません。砥石などは誰かが触ると、すぐに分かります。手の感触が違うのです。

かつとし:最良のおもちゃは想像力です。両親は決しておもちゃを買ってくれませんでした。そんなものですから、3人の姉たちと私は、木の切れ端をとか家の周りのものを使って、ごっこ遊びをしたのです。

まさる: 逸品をつくるには、時間、上等な素材、それに職人の技能が必要です。いつか、予算にこだわらない仕事をさせてもらいたいものだと望んでいます。私は、まだ傑作と言えるものを造り上げていません。

まさる: 私の同年代の人は、悪いことのすべてを今の日本のせいにしています。私たちの年代は、いわゆるベビーブーム世代の人ですが、戦後の日本の復興のために、両親が忙殺されていたところから、子どもを教育する時間が少なかったのでしょう。そのため、私と同世代の人の多くが甘やかされたのです。そして、その人たちが親になって、さらにひどい子どもを育てたのです。

かつとし:秋葉原は「電気街」として生き残っていくに違いありません。いま秋葉原はオタクの町に変わろうとしているのですが、この町は、機械のパーツとか電気用品の材料を買いに通った私たちの様な男どもにとっては、昔から電気の街だったのです。

まさる: 下町の人たちは、とり澄ました山の手の人よりもずっと世界標準に近いのです。私たち下町の人は、自分の思っていることをはっきり口にします。世界中のほとんどの人たちも同じようにします。ところが、山の手の人はよそよそしく、もったいぶっているのです。山の手の人たちは、うわっつらだけの話をするのですが、残念なことに、多くの外国人が抱く日本人のイメージはその山の手の人たちがもとになっていると思うのです。

まさる: 卒業したら、子どもはもう自分で生活費を稼がなければなりません。大学を終えたら、子どもにはもう何も買ってやりません。彼らはもう大人なのですから、自分の生計費はなにもかも自分で稼ぐべきです。私の子どもたちは、4人とも結婚式の費用も車の免許も自腹で払いました。
 
かつとし:私は、親父のことを世界の誰よりも尊敬しています。親は公正であるべきですが、親父はいつも公正です。さらに、親父は、大工の腕前では誰にも負けません。  

テーマ:建築デザイン - ジャンル:学問・文化・芸術

【2006/10/01 00:33】 | Words to Live By和訳(J) | トラックバック(0) | コメント(0)
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