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八谷和彦氏
Words to Live by
By Judit Kawaguchi
Translator: Toshio Ozawa
Approved by Kazuhiko Hachiya


八谷和彦氏(40歳)は、ペットワークという社員9人の中小企業の社長です。八谷氏によれば、この会社は、「楽しくてかわいい方法で、大きなことをやっている」のだそうです。八谷氏の会社は、アニメ化されたキャラクターでヒット中のピンクのテディベア「モモ」がメールを運ぶ、評判のメール・ソフトウエア「ポストペット」の開発会社です。そして今ではあるアニメーション作品に出てくる飛行機に似た、ジェットエンジン付きの「一人乗りグライダー」を試験的に作っています。八谷氏の想像力は疑いなくとどまるところを知らないのです。

八谷和彦氏関連サイトへ


素人の方が立派な仕事を成すことがあります。
ポストペットを生み出したころ(1995年)、プログラムを作ったことはありませんでした。でも、私はコンピューターを使ったコミュニケーションを、そのうち多くの人が使うと確信していました。そのころのソフトウエアは、エンジニアがエンジニアのために作ったものが多く、普通の人が使うには難しすぎました。それは、電子メールの利用者のほとんどが男性だったことも関係していると思います。なにしろWindows95が出たばかりの時期でしたから。私は、コンピューターの初心者、とりわけ女友だちのために楽しくて使いやすいメールソフトウエアをつくりたかったのです。それがポストペットだったのです。

私のアーティストとしての役割は、技術をアートやエンタティメントに使うことです。
技術者は、多くの場合、機能のことばかりを考えており、そして、ついその競争のために、やたらとたくさんの機能のついた複雑怪奇な製品を開発してしまうのです。私は、そういうのとは別のアプローチが・・・つまりシンプルで楽しい方向に技術を使っていきたいと考えています。

課題が難しければ、それだけ楽しみが大きいのです。
日本では飛行機を設計・製造できる人はとても少ないのです。大学ですら、そういうことを出来なくなっています。そのため、私は多くのことを行わなければなりません。テスト飛行場所の視察から、テスト飛行のための書類申請まで。しかし、私はどの仕事も楽しんでいます。誰もやったことがないからこそ、この仕事は楽しいのです。ですが、離陸するまでの時間が、あんまり長くならないようにと望んでいます。


私の仕事は、アートをつくることであって、その話をすることではありません。
私は言いたいことを、アート作品にしてしまいます。私のメッセージは、それぞれのプロジェクトの内部に、それも表面上にではなく、その本質にあるのです。

日本の政府は、小学生みたいです。
平均的な日本人は、どんな政治家よりもたぶん大人であって(たとえ、私たちが子どものような顔つき服装に見えたとしても)、おそらく多くの国でそうであるように多くの市民は政治家よりもずっと成熟しています。

日本政府は、米国政府に対しては子どものような考え方をしています。
日本政府は米国政府が日本政府の態度をどう考えているかを知りたがり、そして絶えず彼らの承認が必要だと考えているようです。例えば学校の先生に対する生徒のように。もちろん、米国の政府が意図的にそのように振る舞うことはあるでしょうが、僕は日本の政府は自分自身にかけたこのマインドコントロールから逃れられなくなっているように見えます。

私は誰にもなりたくはない。私は、自分自身として生まれ変わりたい。
誰かにあこがれたり、誰かになりたいと思ったことはありません。生まれ変わったとしても、この年齢で、まったく同じことをしていたい。私は、今のままでとても幸せであり、特に変えたいことなどありません。

真の英雄の姿。
真の英雄は、自分の家族を大切にする平均的な働く男性・女性たちです。しかし、そんな人たちはあまりに当たり前すぎて、誰も英雄視はしないでしょう。ですが、バスや地下鉄の運転手、消防士、医者、発電所の職員、そういう人たちの支えなしに私たちの生活はなりたちません。私は、そういう人たちを尊敬しています。

手で触れることで、愛が育ちます。
初めて自分の赤ん坊を見たとき、実は私は強い絆を感ずることはありませんでした。しかし、ちっちゃな娘を抱いて手で触れる時間が増していくにつれて、どんどん愛情を感じるようになったのです。日本人の男性の多くは、不幸なことに自分の子どもと過ごす時間を十分にとれないような気がします。アーティストである私は、比較的自由に時間を使えるのですが、多くの会社でも育児に関してはそのようになったほうがいいと思います。

アートを収集することは、アーティストを支援することなのです。
私自身アーテイストですが、アーティストの考え方を共有したいと思って、たまに小品のアートを集めています。

技術は、いったん失われると戻りません。
日本の航空技術のほとんどは、第二次大戦後の中断期間によって消滅してしまいました。技術の多くは属人的な性格が強いので、人がいなくなれば技術も失われます。日本ですばらしい木造寺院をいまだに建立できるわけは、巨大な木造建造物を造る技術を心得た特別な大工がその知識を若い世代に伝え続けているためなのです。このような連鎖がひとたび断ち切られたら、再びつなぎ合わせることは不可能でしょう。

アートの目的は、思考を提供することです。
アイディアはもちろん重要ですが、鑑賞者は作品を眺めたり、考えたりする時間を持つために作品を見ているのだと思います。私の仕事のいくつかは、一見アートに見えないものですが、ですがその出発にはアートがあり、手法としてもアートの手法を使っています。

未来の私たちも、現在とほぼ同じ方法で意思の疎通を図るでしょう。
よく未来の電話などについてコメントを求められますが、意思疎通の分野で大きな変化があるとは思いません。その理由は、結局のところ、人間の楽しみというのが、友だちと一緒に食事をしたり、話をしたり、踊ったり、歌ったりすることにあるためです。例えば今すでにテレビ電話もありますが、利用者はごくわずかです。例えばビジネスにテレビ電話が役に立つとは思いますが、根本的なコミュニケーションが大きく変わることはなかろうと、私は、思っています。

日本の将来について。
日本における最大の問題は少子化・高齢化と人口の減少だと思います。この高齢化に伴い、結局日本が出来ることは外国からの移民を受け入れることだと思います。基本的に僕は多様な人種が入り混じり、相互に理解して生きていくことは、日本にとって望ましいことだと信じています。

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【2006/08/26 22:01】 | Words to Live By和訳(J) | トラックバック(0) | コメント(0)
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